
俊光と菜子のホントの関係
第8章 『かけがえのない兄妹』
「お前らなぁ、男のクセに女の子一人に対して三人って、卑劣極まりねぇぞっ」
「っ、に……逃げろぉーっ!」
わぁ……お兄ちゃんスゴーい。ちょっと怒っただけで、アイツら逃げていっちゃった。
「菜子、また男子とケンカしやがって……。あーあ、頬まで腫れてんじゃん。女の子なのに殴り合いとかすんなよー」
お兄ちゃんは私のほっぺたをなでながら、少ししゃがんで背を一緒にした。
あ……近くで見たら、急に悲しくなってきて、泣きたくなってきちゃった。
私と似てない、お兄ちゃんの顔。
「ううっ……。だ、だってぇ、アイツらムカつくんだもん」
「はぁ……。一体何があったんだよ」
「っ……アイツらが……私とお兄ちゃんは顔が全然似てないから……兄妹じゃないって言って、バカにしたの……」
「……えっ?」
どうしよ……。私の目の中が涙でいっぱいになって、ゆらゆらしてるよぉー。
