
俊光と菜子のホントの関係
第11章 『一旦距離を置きたい』
「ていうかエリナ。『よくじょう』って何? あの『浴場』? 銭湯とか温泉とか、そういうの?」
私の中の辞書では、それしか出てこずなんだけど……。
「あははー。菜子ったらぁ、違うわよぉ。その『浴場』じゃなくてぇ『欲情』。つまりぃ『性的欲求』ってことよぉー」
「欲情!? 性的欲求っ!?」
このムズムズウズウズがっ!? うそぉ!
私は信じられない気持ちでいっぱいになっちゃった。
「で、でもっ、そういうのって、男の人がなるもんじゃないのぉ?」
「いやいや、女性でも余裕で欲情するのよぉ?」
「そ……そうなんだぁー……」
私、女性でもなるなんて知らなかったよぉ。
てことは……私のこの症状って、ホントに欲情ってヤツなのぉ!?
やだぁー。そんなこと言われても、まだにわかに信じがたいんだけど……。
