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Kissシリーズ

第6章 クールなキス

付き合って三ヶ月。

その期間はきっと、恋人同士ならば一番楽しい時期。

なのに…。

ちらっと横を見る。

あたしの方からの告白でOKしてくれた彼は、とても無口で無表情。

全然ふざけなくて、真面目なところに惹かれた。

OKしてくれた時はとても嬉しかったんだけど…。

付き合って三ヶ月。

…付き合う前と、ほぼ変わらない毎日。

今日もデートの後、彼の家で一緒に過ごしているのに、お互いバラバラのことをしている。

彼は買ってきた雑誌を読み、あたしは見てきた映画のパンプを見ている。

…ある意味、同じか。

「はぁ…」

「疲れた?」

「うっううん! めっ眼が疲れただけ」

そう言って慌ててパンプを閉じた。

彼は何も無反応なワケじゃない。

素っ気無いけど、必要最低限の言葉は交わしてくれる。

「今日もいろんなとこ回ったね~」

「ああ」

「どこが一番楽しかった?」

「本屋」

「…そっそう。欲しい本、売ってたもんね」

「うん」

…てなカンジの会話が日常。

でも別れたくない!

好きだし…。

…でも彼の場合、別れを切り出してもあっさり受け入れそうで怖い…。

本気であたしのこと、好きなのかなぁ?

「ねっねぇ」

「なに?」


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