Kissシリーズ
第12章 本気のキス
あたしの好きな人は、サイアクだ。
高校二年で、生徒会副会長。
…しかし、成績優秀・頭脳明晰・スポーツ万能で、容姿端麗・社交的となれば、優秀な生徒というイメージを越す。
一言で言えば、…影の支配者。
表では生徒会長をタテにして、裏で悪事の限りを尽くす。
そのせいか、生徒どころか教師までも彼に逆らえない。
なのに…何であんなの好きなんだ? あたし。
家柄も良く、パソコンを使ってすでに公務員の年収を越えるぐらいの月収を稼ぐ彼。
だけど…告白する女子は、滅多にいない。
何故なら恐ろしいから。
いたとしても、みんな涙を流す。
そんな女の子達を見ているからこそ、好きになってはいけない存在なのに…どーして好きなの?
あたしは一つ年下。
接点なんてほとんどない。
全校集会で見かけたり、学校内で見かけたりするだけ。
なのに気付いたら、彼の姿を探してしまう。
恋だと気付いた時は、目の前が真っ暗になった。
何でっ…!…って。
ああ、絶望ってこんなんなのか、何てぼんやり思った。
そして決めた。
きっぱり切り捨ててもらおう!
そしたらスッキリする!
諦めて、次の明るい恋愛に向かえる!
だから意気揚々と、フラレに行こう!
あたしは生徒会室の前に来ていた。
ノックをすると、すぐに彼の声が入ってきた。
「はい、どなたです?」
柔らかな声に、一気に胸が高鳴った。
深呼吸して、扉を開けて中に入る。
生徒会室は名ばかりで、彼の個人部屋になっていた。
中には彼一人。
彼専用の机とイスのセットの所にいた。
だからあたしはツカツカ歩いて、机を叩いて、彼の目を真っ直ぐに見た。
「―好きです! センパイ!」
「ありがとうございます。嬉しいですよ」
…あっさり笑顔で返された。
うん! ウワサ通りで安心した!
コレならこっぴどくフられる!
「本気で好きなんです!」
「ええ、嬉しいですよ」
彼は崩さぬ笑顔で続ける。
高校二年で、生徒会副会長。
…しかし、成績優秀・頭脳明晰・スポーツ万能で、容姿端麗・社交的となれば、優秀な生徒というイメージを越す。
一言で言えば、…影の支配者。
表では生徒会長をタテにして、裏で悪事の限りを尽くす。
そのせいか、生徒どころか教師までも彼に逆らえない。
なのに…何であんなの好きなんだ? あたし。
家柄も良く、パソコンを使ってすでに公務員の年収を越えるぐらいの月収を稼ぐ彼。
だけど…告白する女子は、滅多にいない。
何故なら恐ろしいから。
いたとしても、みんな涙を流す。
そんな女の子達を見ているからこそ、好きになってはいけない存在なのに…どーして好きなの?
あたしは一つ年下。
接点なんてほとんどない。
全校集会で見かけたり、学校内で見かけたりするだけ。
なのに気付いたら、彼の姿を探してしまう。
恋だと気付いた時は、目の前が真っ暗になった。
何でっ…!…って。
ああ、絶望ってこんなんなのか、何てぼんやり思った。
そして決めた。
きっぱり切り捨ててもらおう!
そしたらスッキリする!
諦めて、次の明るい恋愛に向かえる!
だから意気揚々と、フラレに行こう!
あたしは生徒会室の前に来ていた。
ノックをすると、すぐに彼の声が入ってきた。
「はい、どなたです?」
柔らかな声に、一気に胸が高鳴った。
深呼吸して、扉を開けて中に入る。
生徒会室は名ばかりで、彼の個人部屋になっていた。
中には彼一人。
彼専用の机とイスのセットの所にいた。
だからあたしはツカツカ歩いて、机を叩いて、彼の目を真っ直ぐに見た。
「―好きです! センパイ!」
「ありがとうございます。嬉しいですよ」
…あっさり笑顔で返された。
うん! ウワサ通りで安心した!
コレならこっぴどくフられる!
「本気で好きなんです!」
「ええ、嬉しいですよ」
彼は崩さぬ笑顔で続ける。