Kissシリーズ
第12章 本気のキス
よしよし! 好感触! このまま行けば…!
「あたし、あなたがどんな悪人でも構いません! ずっと一目見た時から好きだったんです!」
「―そうですか」
今の返事、一瞬遅かった。
いよっし! ウザくなってきている。
「あたしが本気で好きなこと、分かってください!」
「…そうですねぇ」
彼はアゴに手をかけ、考えた。
うっし! あたしをフる言葉を考えている。
ヒドイ言葉であたしを傷付ける為の言葉を。
―この一瞬があるだけで良い。
彼が今、あたしのことだけを考えてくれている。
他の事は眼中にも無い。
…幸せ。
この一瞬があれば、きっと明日には違う恋愛が出来る。
きっと…今より夢中になれることは、しばらくなさそうだけど…。
「なら、証明してくれません?」
「えっ、どんなことでですか?」
校庭を100周とか、有名大学に受験に合格しろととかだろうか?
どれもきっとあたしにはムリ。
だから泣いて彼の前から去れる。
狙い通り!
「それでは、ボクにキスしてみてください」
「………はい?」
「キスですよ。もちろん、唇でね」
そう言って、最上級の笑顔で唇に触れる。
ううっ! 心臓が痛いっ!
でもある意味、本望か…?
「…キス、したら、認めてくれます?」
「ええ、当たり前です。ボクが言い出したことなんですから」
余裕たっぷりに、イスに深く腰掛ける。
………キス、は正直、したい。
―最後の思い出には、案外良いかもしれない。
きっと彼は経験済みだし。
「出来ないなら、すぐに廊下に出てください。まだ生徒会の仕事が残っていますから」
机の上に広げている書類は、彼が仕事中だということを表している。
あたしは拳を握り締め、彼を正面から睨み付けた。
「―分かりました」
「えっ?」
あたしは机の上に膝をかけ、彼の肩に両手を置いた。
そして―一瞬だけど、彼の唇に触れた。
冷たくて、とても甘いキス。
「あたし、あなたがどんな悪人でも構いません! ずっと一目見た時から好きだったんです!」
「―そうですか」
今の返事、一瞬遅かった。
いよっし! ウザくなってきている。
「あたしが本気で好きなこと、分かってください!」
「…そうですねぇ」
彼はアゴに手をかけ、考えた。
うっし! あたしをフる言葉を考えている。
ヒドイ言葉であたしを傷付ける為の言葉を。
―この一瞬があるだけで良い。
彼が今、あたしのことだけを考えてくれている。
他の事は眼中にも無い。
…幸せ。
この一瞬があれば、きっと明日には違う恋愛が出来る。
きっと…今より夢中になれることは、しばらくなさそうだけど…。
「なら、証明してくれません?」
「えっ、どんなことでですか?」
校庭を100周とか、有名大学に受験に合格しろととかだろうか?
どれもきっとあたしにはムリ。
だから泣いて彼の前から去れる。
狙い通り!
「それでは、ボクにキスしてみてください」
「………はい?」
「キスですよ。もちろん、唇でね」
そう言って、最上級の笑顔で唇に触れる。
ううっ! 心臓が痛いっ!
でもある意味、本望か…?
「…キス、したら、認めてくれます?」
「ええ、当たり前です。ボクが言い出したことなんですから」
余裕たっぷりに、イスに深く腰掛ける。
………キス、は正直、したい。
―最後の思い出には、案外良いかもしれない。
きっと彼は経験済みだし。
「出来ないなら、すぐに廊下に出てください。まだ生徒会の仕事が残っていますから」
机の上に広げている書類は、彼が仕事中だということを表している。
あたしは拳を握り締め、彼を正面から睨み付けた。
「―分かりました」
「えっ?」
あたしは机の上に膝をかけ、彼の肩に両手を置いた。
そして―一瞬だけど、彼の唇に触れた。
冷たくて、とても甘いキス。