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Kissシリーズ

第12章 本気のキス

すぐに彼から離れた。

「―コレであたしの本気、分かってくれますよね?」

泣きたいのを堪えた。

…正直、ここまで感情が昂るとは思わなかった。

「何っを…」

しかし彼は口元を手で多い、顔を真っ赤にした。

…アレ? この反応は予想外。

いきなりだったから、ビックリさせた?

でも…この反応はまるで…。

「…もしかしてセンパイ、ファーストキスでした?」

そう聞くと、耳まで真っ赤に…。

…ウソ。

でもあたしは反対に、血の気が引いた。

てっきり…と思っても、すでに遅い。

「えっええっと…」

慌てて何かを言おうとしたけど、コレで帰った方が良いのかもしれないと思った。

「じっじゃああたしの言いたいことは以上なので」

そう言いつつ机から降りた。

「お邪魔しました! 生徒会のお仕事、頑張ってくださいね!」

帰ろうと踵を返すと、

「待ちなさい!」

いきなり手を握られた。

「えっ?」

彼は立ち上がっていた。

机越しにあたしを捕まえたまま、顔を伏せたままだ。

「…あなたの本気、確かに感じました」

「はっはい」

「あなたのような女性は、はじめてです」

「はい…」

もしかして、嵐のごとく罵倒されるのだろうか?

出来ればこのまま帰してほしい。

思わず逃げ腰になる。
「明日から…覚悟してくださいね」

「えっ」

いっ嫌がらせの日々はカンベンしてほしい…。

しかし顔を上げた彼は、眼に光を宿していた。

ぞっとするほど、本気の光を。

「ボクの本気、あなたに感じてもらいますから」

「えっ、えっ?」

ほっ本気の嫌がらせはちょっとなぁ…。

「あなたが悪いんですからね。ボクを本気にさせたあなたが」

手を引かれ、伸ばされた彼のもう片方の手があたしの頭を掴み、そのままキス―された。

「―離しませんよ、一生」




コレって…本末転倒!?


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