テキストサイズ

Kissシリーズ

第14章 ガキとのキス

「ん? どーした?」

「何でも無いっ」

ぷいっと向こうを向く。

「疲れてんのか?」

ゲームする手を止めて、アタシの所に来てくれる。

屈んで、アタシと目を合わせた。

「何か…老けた?」

ドカッ!

「ふごっ!」

強烈な右の拳を、アイツの腹に沈めた。

「…今度言ったらマジ殺す」

「おっおう」

そのままアタシの上に倒れ込んで来たので、受け止めた。

ぎゅっと抱き締めると…やっぱり愛おしさが溢れる。

「ねぇ…」

「なっ何だ?」

「アタシ、アンタのこと好きよ」

「おっおお」

…ダメだ、こりゃ。
やっぱりガキね。

でも好き。ガキのコイツが大好き。

「ちょっちょっと、苦しいって」

「あっ、ゴメン」

ちょっと夢中になり過ぎたみたい。

離してやると、ぜ~ぜ~息切れをしていた。

「ったく。ちょっとは手加減しろよ。体格差とかあるんだからよ」

「…分かってるわよ」

アタシはコイツより頭一つ分、大きい。…何気にへこむ。

「…なあ」

「何よ」

顔を上げると、いきなり肩を捕まれ、ベッドに倒された。

「きゃっ! なっ何すんのよ!」

目を開けると、真剣な表情のアイツがいた。

それでも何か言おうと口を開くと…。

「んぐっ…!」

噛み付かれるように、キスされた。

唇が合うどころか、歯や舌まで…。

「んん~!」

あまりの荒っぽさに、バタバタと暴れてしまう。

「ちょっ、やめっ…!」

顔を横に向けて逃げた。

そして脇腹に蹴りを入れた。

「んがっ!」

「いきなり何すんのよ!」

アイツの体を壁にぶつけて、アタシは起き上がった。

「だっだってお前…、何か物欲しそうな顔してたから…」

脇腹を押さえ、ベッドの上で悶絶しているアイツの姿を見て、アタシはあんぐり口を開けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ