Kissシリーズ
第19章 電車でのキス
電車に乗り遅れそうなのを、助けてもらったなんて…。
でも彼には感謝しなきゃ。
いつかは何かお礼をするのも良いだろう。
そう思っていたら…いつの間にか、3年の月日が流れた。
お互い高校三年生。
あの衝撃的な出会いから、ずっと彼のことを意識していた。
けれどお互い一言も言葉を交わさず、ただ電車の中で姿を見つけては安心するだけ。
そして季節は春になった…。
卒業式を終えて、わたしは花束を持って電車に乗り込んだ。
「あっ…」
人気の少ない電車の中に、同じように花束を持った彼がいた。
彼の学校も、卒業式だったんだろう。
これで…彼の姿を見るのも、最後。
わたしは彼の真向かいのイスに座った。
彼は花束に視線を向けたまま、動かなかった。
きっといろいろと思い出しているんだろうな。
わたしも…思い出す。この三年間、彼を見続けたことを。
そして電車は、わたしの町に止まりそうになる。
このままじゃっ…本当に何もないまま終わってしまう!
わたしは立ち上がり、彼の前に来た。
「あっあの!」
「えっ…」
彼はきょとんとした。
「おっ覚えてないかもしれないけど、前に電車で助けてもらった者です。こっこれ、遅くなったけどお礼です!」
そう言って花束を彼に押し付けた。
「えっ、あっ」
でも彼には感謝しなきゃ。
いつかは何かお礼をするのも良いだろう。
そう思っていたら…いつの間にか、3年の月日が流れた。
お互い高校三年生。
あの衝撃的な出会いから、ずっと彼のことを意識していた。
けれどお互い一言も言葉を交わさず、ただ電車の中で姿を見つけては安心するだけ。
そして季節は春になった…。
卒業式を終えて、わたしは花束を持って電車に乗り込んだ。
「あっ…」
人気の少ない電車の中に、同じように花束を持った彼がいた。
彼の学校も、卒業式だったんだろう。
これで…彼の姿を見るのも、最後。
わたしは彼の真向かいのイスに座った。
彼は花束に視線を向けたまま、動かなかった。
きっといろいろと思い出しているんだろうな。
わたしも…思い出す。この三年間、彼を見続けたことを。
そして電車は、わたしの町に止まりそうになる。
このままじゃっ…本当に何もないまま終わってしまう!
わたしは立ち上がり、彼の前に来た。
「あっあの!」
「えっ…」
彼はきょとんとした。
「おっ覚えてないかもしれないけど、前に電車で助けてもらった者です。こっこれ、遅くなったけどお礼です!」
そう言って花束を彼に押し付けた。
「えっ、あっ」