テキストサイズ

Kissシリーズ

第20章 あたたかなキス

「う~ん…」




アタシはうなる。




「どうした? …あぁ、ホラ。口元付いてる」




「んんっ」




彼に口元をハンカチで拭かれた。




お昼休み、生徒会室で彼と二人っきりでお弁当を食べていた。




我が高校の生徒会長が彼だから、こうやって貸切状態でいられるんだけど…。




ととっ。話がズレた。




「いや、最近よくあることなんだけど」




彼が作ってくれたお弁当を食べながら、思い出す。




「うん」




「アタシとアンタ、付き合ってたっけ?」




「…うん?」




あっ、今の微妙な間はマズいかも。




やっぱり言うべきじゃなかったか。




彼とは結構長い付き合い。




でも恋愛感情を持っているかと聞かれても、首を傾げる。




彼はアタシにお弁当を毎日作ってくれる。




頭が良いから、勉強も教えてくれる。




よく二人っきりで遊びに行く。




アタシのワガママを、何でも聞いてくれる。




そして時々…キスをしたり、抱き合ったりしている。




…付き合っていると、一般的には言えるだろうな。




だから周囲の人達からは、「付き合っているんでしょ?」と言われる。




でもアタシは否定する。




だから驚かれる。




コレが3ケタに入ると、流石のアタシも悩んできた。




だからうなっていたんだけど…。




「あっあのね! 別にキライじゃないのよ、アンタのことは。でもホラ、近くに居過ぎて家族のようになっているというか、何と言うか…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ