テキストサイズ

Kissシリーズ

第21章 子供とのキス

…男の子と出会ってから、わたしには変化が起きた。

恋をしているせいか、作るお菓子の評判がとても良い。

人気商品になっているものもあるぐらい。

でも…さすがに失恋したら、落ちるかな?

まっ、それでもわたしは…。

「って、いけない!」

ぼ~としているうちに、待ち合わせの時間が近くなっていた。

慌ててラッピングして、店を飛び出した。

今日は男の子の誕生日だから、わたしの家に招待していた。
家に帰って準備をしていると、インターホンが鳴った。

「あっ、はいはい!」

わたしは玄関に向かった。

扉を開けると、

「こんにちは、おねーさん。お招きありがと」

ニコッと天使の笑顔で、男の子が立っていた。

「あっ、うん。いらっしゃい。どうぞ、あがって」

赤くなる顔を手で押さえながら、わたしは平常心を心掛けた。

テーブルにセットされたお菓子を見て、男の子は目を輝かせた。

「すっごいね! コレ、全部おねーさんが?」

「もちろん! 特にご注文のケーキは、頑張りました」

テーブルの上には、立派にデコレーションされたチョコレートケーキがある。

男の子は甘い物が好きみたいで、常々ホールでケーキを食べたいと言っていた。

だから1番小さなホールサイズで、ケーキを焼いた。

「コレはキミが一人で食べて良いんだよ?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ