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Kissシリーズ

第22章 オタクとのキス

わたしの彼は、普通の人とはちょっと違う趣味を持っている。




「…でね、そのマンガなんだけどさぁ」




「うんうん」




「あのアニメも…」




「へぇ、そうなんだ」




「そして例のゲームなんだけどさ!」




「スゴイねぇ!」




…てなカンジが日常茶飯事。




つまり彼はオタク。




彼の生活はパソコンを中心として、マンガ・アニメ・ゲームが回っている。




そしてその輪の中に、最近、わたしが入った。




恋人、というカタチで。

彼は気が優しくて、いろんな話題を持つ人だ。




一緒にいても、相手を飽きさせることなく、いろいろな話をしてくれる。




自分の話をするだけじゃなく、ちゃんと相手の話も聞いてくれる。




一般的に言うと、草食系のオタク男子だけど、わたしは彼のことがとっても好き。




だから告白した。




なのに彼は…。




「えっ、ええっ!? なっ何か罰ゲームさせられてるの?」




…ときた。




一生懸命説明することの1時間後、やっと信じてくれた。




そして受け入れてくれた。




「こんな僕だけど…よろしく」




そう言って、真っ赤な顔をして、握手をした。




付き合いはじめると、彼は自分の好きなものについて、熱く語ってくれるようになった。




彼からマンガやアニメのDVD、それにゲームをよく借りるようになった。




分からないところや知りたいことがあれば彼に聞けば、快く答えてくれる。




わたしのことを大事にしてくれるし、優しくもしてくれる。




不満も不安も、わたしは彼に何1つ持っていなかったの…。




「ねっねぇ」




「なあに?」

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