Kissシリーズ
第3章 イケメンとのキス
軽い会話が得意なハズの彼から飛び出る言葉は、ありえないぐらいセクハラだ。
「あっそう」
彼にどう思われようと、私にはどうでも良いことだ。
そう思い、ストローに口を付けようとした時。
ぐいっとアゴを捕まれ、そのまま―。
「…んっ?!」
―唇が重なった。
唇はすぐに離れたが、頭の中が真っ白になった。
「…言ったろ? 色気を感じるって」
「だからって…なんでキス?」
「欲情したから」
「………」
絶句。という行動を、私は生まれてはじめてした。
いや、これはもしかしなくても…。
「………私のことが好きなの?」
「ようやく気付いたの?」
間近で笑いながら言われても…。
「うん。多分コレが好きって感情なんだろうね。はじめて持った感情だったから、何だかよく分からなかったけど、キスして気付けた」
私の顔を両手で大事そうに包み込み、彼はとろけそうなほど甘い笑みを浮かべる。
「はじめてキミを見た時から、気になっていたんだ。そしてそのうち、色気を感じてた。コレが恋愛感情なんだろうね」
…告白の割には、甘くはないが…。
「そっ…」
「うん。だから俺と付き合って」
「………まっ、良いわ」
彼の両手に触れ、顔を埋めるようにして言った。
きっと気付かれている。
私の顔が真っ赤になっていることを。
『はじめて』の経験をいっぱいさせてくれる彼に、私は心奪われていた。
―そう、きっとコレが恋愛感情。