
にゃんこは虎の夢を見る
第1章 カッコいいには程遠い?
だって金髪の髪の毛は傷んではいるものの、柔らかいからかひよこみたいにふよふよしていて
喋る度に揺れるそれと、大きすぎる制服のミスマッチが可愛らしさを増幅させているんだよ
恐らくにのの理想は「ちょっと近寄りがたい」とか「怖そう」とかヤンチャなイメージなんだと想像がつくんだけど
ー…それは、多分
いや、100%誰も思わないと思う
だってさ
さっきからチラチラすれ違い様に見てる子たち、明らかに怖がってるんじゃないよ?
クスクス笑って「何か可愛くない?」って言ってるよ?
その言葉は聞こえてるはずなんだけど、にのは自分の見た目にどれだけ自信があるんだか全く耳に届かないらしい
まあ、そこもまた可愛いんだけど
「まーくんまーくん!ほら、皆俺を見てる」
「うん」
「やべ、やっぱちょっと怖そうとか思われちゃう?」
嬉しそうに俺の袖をクイクイ引っ張ってる姿は、怖いどころか可愛さ倍増だっつーの
だけどそんなのには全く気付いてないのは、長い事「当たり前」にしている行動だからだ
決してにのがか弱い訳じゃない
昔からスキンシップが多いのを指摘されてから、袖クイに落ち着いただけの話
