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にゃんこは虎の夢を見る

第1章 カッコいいには程遠い?


だけどそんな事は露知らず

にのは満面の笑みで入学式の行われる体育館に足取りも軽く向かっている

もちろん片手は俺の制服をつまんだまま


あーあ

これはもう、間違いなく決定だな

俺は引き続きにのをあらゆるものから守らなくゃいけない事が

…やたらと構おうとする、不埒な輩からその手に鈍感なにのを引き離す事が

だって見てみ?

あちこちに、男からの「何か可愛くね?」って視線がにのに向いてるよ?

俺を含め、色んな事に興味津々なお年頃

特にシモ系は猿になる頃だ

同性に興味ない奴も、誰か他人が「可愛い」と言えばそこに興味を持つ事は全然おかしい事じゃない



「あ、クラス分けの紙!」

俺の袖をつまんでいた手をパッと離して、いきなりにのが走り出した

「ちょ、にのっ」

小動物よろしく、ちょこまかと人並みをかい潜るにのを慌てて追いかけるけど、そう簡単には追い付けない

てか、何もなきゃ走るのは早いから追い付けるけど、こう障害物が多いとぶつからずに行く方が難しいっての!

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