
にゃんこは虎の夢を見る
第1章 カッコいいには程遠い?
順番に名前を黙視でたどり、そこに行き着いて思わず唇の端が上がった
もちろん心の中は思い切りガッツポーズ
それこそ「よっしゃーっ!」と叫び出したのを必死に抑え込んでいるけどさ
「かず!こっち!」
まだぴょんぴょんしながら人の頭を掻い潜って名前を探すにのを呼ぶと、すぐに反応したにのがパッと振り返った
おいでおいで、と手招きする
「あった?」と一言叫んで無理矢理掻き分けてこっちに向かうにのは、強引だからか他の生徒にぶつかっている
「いってぇな!」
「あー、悪ぃ悪ぃ」
軽くいなしたにのが更にこちらに近付こうとして……あれ
「んだよ!離せっ!!」
今ぶつかったと思われる奴にどうやら捕まったらしい
あーあ、また面倒そうなのに捕まった感じがする
見た目は俺と同じ位の背で一見真面目そうなんだけど、…ぶつかったのは間違いないしなぁ
素直に謝れば何て事ないのに、今のにのがそれを出来る訳なくて
ああいう真面目そうな奴ほど、きちんとしないと後々面倒臭くなるのは大体当てはまるんだよね
だって気が弱そうには見えないもん、あいつ
