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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第22章  マリーゴールドは、静かに・・・

  


 インターフォン越しの声にビクッと身体が跳ねた。一瞬にしてイヤな記憶が蘇る。


「珱月さま・・・大丈夫ですか?」


「え、ええ・・・。」


 〝大丈夫〟ではない。自分を襲わせた張本人がいま、屋敷前に居る。もしかしたら実行犯も居るのかも、知れない・・・


「お話しをしに来ましたわ、〝黒髪の乙女〟。いいえ、〝珱月《エル》〟さん。女同士で話しをしましょう。
 今日は、変な小細工はなしですわ。」


「でも・・・ジュリアスさんとロイさんから接触は、禁じられていますし。」


「まぁ。でも・・・そのジュリアスさまは、私の屋敷でお休みですわ。」


「えっ・・・」


 話し合いに出向いたハズの彼の帰りが遅いのを心配していた。執事は、迎えに出向いたのだ。


「さぁ、女同士・・・話しをしましょう・・・・・・珱月さん。」


  

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