テキストサイズ

ソレは、そっと降り積もる・・・。

第24章  チューベローズ

  


 不可思議なことを言ってくる妻に笑って返す。


『いま、お倖せ・・・ですか?』


「もちろんだ。お前は、違うのか?」


『ああ、王さま・・・よかった。』


「レオノール?本当に今日は、どうした?」


 妻が歩み寄って来ないので自分が降りて向かう。


『王、さま・・・これからひと騒動・・・・・・起こります。』


「なに?なにか、災害か?」


『いいえ。・・・血筋に縛られた者が、コトを起こすかも・・・知れません。』


「ん?血筋?コト??レオノール・・・本当にどうした?」


 よく訊けば妻の声には、少し若い気がする。


『王さま・・・私は、あなたに〝欲しいモノ〟を差し上げられます。でも、全部は・・・無理なのです。選んで下さい・・・あなたの大切な血筋か。それとも・・・友の絆か。』


「はっ??」


  

ストーリーメニュー

TOPTOPへ