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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第25章   想い合うと云うこと

  


「ふふ。」


「珱月??」


「笑ってすみません。今更だな、って思って。」


 笑っている彼女の表情が気になって身体を離す。悲しい顔も呆れた顔もしないで彼女は、愉しそうに笑っている。


「珱月・・・」


「私は、ジュリアスさんを選びました。両親にも弟にも告げずに。ここで勝手に私の生涯の相手をあなただと、勝手に決めたんです。これって結構勇気が必要・・・なんですよ。判っていますか?」


「っ・・・・・・!!?」


 彼女の優しさの中の〝女の強さ〟を垣間見た気がした。


「こう言うときは、見つめてないでキス・・・してくれるものですよ。」


「ああ、・・・そうだな。
(捕らえた・・・ハズなのに。)」


 頬に触れて唇を重ねる。



 囚われたのは、どちら?


  

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