家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?
第6章 霧の守護者
その後、今日の残り時間も少なくなってきたことに危機感を覚えた女子達は、その情熱をヒートアップさせていった。
なのであえて逃げ回らなくても良くなったが、それでも帰りは早々に校舎から出ようと決めた。
カバンを持って、日直の最後の仕事である日誌を職員室に置きに行くと、その帰り道で満面の笑顔の女の子達に声をかけられた。
昨日、放課後に声をかけてきたクラスの女子だ。
「沢田くん、今日はありがとね」
「おかげでちゃんと渡せたわ」
「今日はホント無理なお願いして、ゴメンね」
「うっううん。オレは何にもしてないし。それより渡せて良かったね」
「うん! あっ、それでお礼のチョコなんだけど」
そう言って二人の女子が、綺麗にラッピングされた箱と紙袋を差し出した。
包装紙には見覚えがあった。
商店街で、美味しいと評判の洋菓子店とケーキ屋のものだ。
「はい、コレ」
「山本くんと獄寺くんのファンの女の子達、代表として感謝の気持ちです」
「あっありがとう」
「ちゃんと美味しいのを選んだから、味わってね」
「今日は本当にありがとう。来年もよろしくね」
「うん。…って、え? 来年?」
ふと疑問に思って顔を上げた時には、女子達は笑顔で去って行った後だった。
「あっ…来年のバレンタインも…」
鬼ゴッコになるのか、と思い至り、がくっと肩を落とした。
とりあえず箱のチョコはカバンに入れ、袋は手に持って校舎を出た。
校門へ向かう途中、ふと周りが騒いでいることに気付いた。
「おい、あの子…」
「可愛いよな。誰かにチョコあげんのかな」
校門には他校の女子生徒達や女性達の姿が見える。
その中に見知った顔を見つけ、思わず駆け出した。
「くっクローム?」
「ボス」
クローム髑髏。
彼女が校門に寄り掛かっていた。
「どうした? 骸に何か…。あっ、それとも二人とはぐれたとか」
「違うの。何でもないの」
可愛らしい仕草で首を振り、目の前に紙袋を差し出してきた。
なのであえて逃げ回らなくても良くなったが、それでも帰りは早々に校舎から出ようと決めた。
カバンを持って、日直の最後の仕事である日誌を職員室に置きに行くと、その帰り道で満面の笑顔の女の子達に声をかけられた。
昨日、放課後に声をかけてきたクラスの女子だ。
「沢田くん、今日はありがとね」
「おかげでちゃんと渡せたわ」
「今日はホント無理なお願いして、ゴメンね」
「うっううん。オレは何にもしてないし。それより渡せて良かったね」
「うん! あっ、それでお礼のチョコなんだけど」
そう言って二人の女子が、綺麗にラッピングされた箱と紙袋を差し出した。
包装紙には見覚えがあった。
商店街で、美味しいと評判の洋菓子店とケーキ屋のものだ。
「はい、コレ」
「山本くんと獄寺くんのファンの女の子達、代表として感謝の気持ちです」
「あっありがとう」
「ちゃんと美味しいのを選んだから、味わってね」
「今日は本当にありがとう。来年もよろしくね」
「うん。…って、え? 来年?」
ふと疑問に思って顔を上げた時には、女子達は笑顔で去って行った後だった。
「あっ…来年のバレンタインも…」
鬼ゴッコになるのか、と思い至り、がくっと肩を落とした。
とりあえず箱のチョコはカバンに入れ、袋は手に持って校舎を出た。
校門へ向かう途中、ふと周りが騒いでいることに気付いた。
「おい、あの子…」
「可愛いよな。誰かにチョコあげんのかな」
校門には他校の女子生徒達や女性達の姿が見える。
その中に見知った顔を見つけ、思わず駆け出した。
「くっクローム?」
「ボス」
クローム髑髏。
彼女が校門に寄り掛かっていた。
「どうした? 骸に何か…。あっ、それとも二人とはぐれたとか」
「違うの。何でもないの」
可愛らしい仕草で首を振り、目の前に紙袋を差し出してきた。