家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?
第6章 霧の守護者
「今日はバレンタインだから。ボスにもチョコあげようと思って」
「えっ、オレ?」
「うん。本当は骸さまにもあげたかったんだけど…」
曇るクロームの表情。
遠い異国の土地で囚われの身になっている六道骸のことを案じているのだろう。
「そっか…。でもいつか実際に会って、渡せる日がくるよ!」
励ますように明るい声を出すと、彼女は少し微笑んだ。
「…ありがとう、ボス。優しいのね」
「いっいやぁ」
照れて頭をかくも、通り過ぎる男子生徒達の視線が突き刺さっていることに気付く。
クロームほど可愛い美少女は、ここにも並盛中にもなかなかいない。
なのにダメツナと言われている自分が、義理とは言えチョコを貰っているのを見て、おもしろくないのだろう。
余計な恨みを買わない為にも、この場は早く立ち去った方が良い。
「えっと、チョコ、貰っていい?」
「うん。頑張って作ったの。小さなチョコケーキ。でもいっぱい入っているから」
「へぇ、クロームの手作りか。おいしそう!」
「犬と千種にも作ったの」
「二人にも? 喜んだだろう?」
尋ねるとクロームは困った顔で首を傾げ、後ろを振り返った。
「どうだろう…?」
少し離れた壁に隠れて、二人がいた。
こちらをチラチラと窺っている。
どうやらクロームを心配して付いてきたらしいが、バレバレだ。
「あっ…はは。きっと喜んでいると思うよ。少なくとも犬は甘いもの大好きだし。千種だってクロームの手作りなら嬉しいはずだよ」
口では悪く言っても、二人はクロームのことを信頼できる仲間だと、思っている。
それに可愛いクロームからチョコを貰って、男なら嬉しくないはずがないと断言できる。
「ボスは…嬉しい?」
「オレ? オレはもちろん嬉しいよ。ありがとう」
笑顔を浮かべると、クロームの頬が少し赤く染まった。
「ボス…」
ふとクロームが近寄ってきたかと思うと、背伸びをしてきた。
「えっ…」
柔らかな感触が一瞬、頬に触れる。
「ありがと」
そう言って、犬と千種の元へ駆けて行った。
「えっ、ええっ!」
驚いて頬に手を当てる。
いきなりのことで、周りもフリーズしている。
この空気をどうしようかと考えていると、校舎の方から怒声と駆け付けて来る足音が聞こえてきた。
「えっ、オレ?」
「うん。本当は骸さまにもあげたかったんだけど…」
曇るクロームの表情。
遠い異国の土地で囚われの身になっている六道骸のことを案じているのだろう。
「そっか…。でもいつか実際に会って、渡せる日がくるよ!」
励ますように明るい声を出すと、彼女は少し微笑んだ。
「…ありがとう、ボス。優しいのね」
「いっいやぁ」
照れて頭をかくも、通り過ぎる男子生徒達の視線が突き刺さっていることに気付く。
クロームほど可愛い美少女は、ここにも並盛中にもなかなかいない。
なのにダメツナと言われている自分が、義理とは言えチョコを貰っているのを見て、おもしろくないのだろう。
余計な恨みを買わない為にも、この場は早く立ち去った方が良い。
「えっと、チョコ、貰っていい?」
「うん。頑張って作ったの。小さなチョコケーキ。でもいっぱい入っているから」
「へぇ、クロームの手作りか。おいしそう!」
「犬と千種にも作ったの」
「二人にも? 喜んだだろう?」
尋ねるとクロームは困った顔で首を傾げ、後ろを振り返った。
「どうだろう…?」
少し離れた壁に隠れて、二人がいた。
こちらをチラチラと窺っている。
どうやらクロームを心配して付いてきたらしいが、バレバレだ。
「あっ…はは。きっと喜んでいると思うよ。少なくとも犬は甘いもの大好きだし。千種だってクロームの手作りなら嬉しいはずだよ」
口では悪く言っても、二人はクロームのことを信頼できる仲間だと、思っている。
それに可愛いクロームからチョコを貰って、男なら嬉しくないはずがないと断言できる。
「ボスは…嬉しい?」
「オレ? オレはもちろん嬉しいよ。ありがとう」
笑顔を浮かべると、クロームの頬が少し赤く染まった。
「ボス…」
ふとクロームが近寄ってきたかと思うと、背伸びをしてきた。
「えっ…」
柔らかな感触が一瞬、頬に触れる。
「ありがと」
そう言って、犬と千種の元へ駆けて行った。
「えっ、ええっ!」
驚いて頬に手を当てる。
いきなりのことで、周りもフリーズしている。
この空気をどうしようかと考えていると、校舎の方から怒声と駆け付けて来る足音が聞こえてきた。