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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第11章 十年後のバレンタイン

変なおどしかけのせいで、毎年うなっている。

固まった笑顔で言うと、リボーンは肩を竦めた。

「呪いみたいな言葉吐きやがって…」

「誰がだ。小さなことにグジグジこだわり続けるお前が悪い」

「う~…」

「食わなきゃいけないチョコは他にもあるんだから、とっとと腹くくれ」

隣の部屋では、絶えず人の出入りする音がしている。

若きボンゴレボスに送られた、バレンタインのプレゼントが次々と運ばれているのだ。

「いっ今、体の調子が悪いから、食べないって方法は?」

「医者を連れてくるぞ。守護者達が」

「ううっ」

胃の辺りを押さえながら青い顔をするツナを見て、リボーンは深く息を吐いた。

そしてスーツのポケットから、小さな箱を取り出した。

手のひらサイズの小さな四角の箱は、可愛くラッピングされている。

リボーンは無表情にラッピングを解くと、箱の中身は一粒のトリュフチョコだった。

「ツナ」

「ん? 何だよ、リボー…んんっ!」

口を開いた途端、何かを入れられた。

そのまま手で口を押さえられる。

「とりあえず、それ食っとけ」

間近で言われ、とりあえず食べてみた。

香り高いカカオと酒の匂いが口の中に満ち、甘さが舌に広がる。

ツナが食べたことを確認して、リボーンは手を離した。

「コレで悩まずに済むだろ?」

「んっ…。コレ、チョコレートボンボン?」

「ああ、オレの行きつけの酒屋が特別に作ったもんだ。貰いもんだが悪くはないだろ?」

「うん! 美味しかった」

悩みを解決したおかげか、ツナは笑顔を浮かべた。

「まったく…。他のヤツのを先に食べるって考えは無かったのか?」

「ううっ~ん…。でも守護者のみんなには、いつもお世話になっているから」

「いっつもお前の面倒を見ているのは、オレのような気がするが?」

「うるさいなぁ。文句言う前に、仕事、片付けてきなよ」

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