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君を乗せた空

第1章 SIDE‐RUKA

案の定、佐々木先生の腕が、私を抱きしめる。

「…君は、どうして…。」
「そんなの、愚問ですよ先生。」

私は、求められれば、する。
お兄ちゃんに無理矢理挿れられたあの日から、それは絶対に揺るがない、掟。

川越線を降りた後、追いかけてきた痴漢に、トイレに連れ込まれてされた事もあった。
こんな年齢で「安全日」なんていう知識があったからこそ、私はその時も、大して動じなかった。

可愛くない中学生だ、私は。

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