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君を乗せた空

第1章 SIDE‐RUKA

引き戸の鍵が閉められていた事には、薄々は気づいていた。
廊下から死角に入る場所で絵を描いていたのにも、カーテンが閉められていたのにも、さすがに気づいていた。

準備は、ちゃんと整ってあったのだ。

「驚かないんだ?」
「…慣れてるんです。」
「へぇ?誰と?」
「…兄。」
「そりゃまた酔狂な。」
苦笑しながらも彼は、そのまま私を、ゆっくりと、剥いた。

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