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瀬戸川 雪穂(せとがわ ゆきほ)は大変普通の、説明をする程でもない人間である。
小学校、中学校、高校、専門学校と、特に大変素晴らしい功績も成績も残さず。
勉強もまぁすごく悪くも、大変良くもなく、上の下レベルで卒業した。

国立大学に入れる程は勉学には勤しんでいなかった為、手に職をと考え専門学校に入学した。

見た目も特に特徴的ではなかった。
天然の酷いくせ毛を隠すために中学デビューでそれ以来は縮毛矯正でストレートのボブヘアにしている。身長も160cmには少し届かない平均的な身長であった。人より少し胸は大きかったが、それで友達からカラかわれるほどには大きくはなかった。

家族は母と兄が1人の三人家族。母子家庭で育ったが、母は夜まで働き何不自由なく生活させてくれた。
兄の公平(こうへい)は大変頭が良く国立の大学に進学し、証券会社に就職した。兄は幼い頃より脚が早く、運動会ではリレーの選手であったし、中学校の時は生徒会長を務めていた。男というのは大して顔がすごく良くなくても、勉強とスポーツができて尚且つ品行方正で清潔感があればモテる者であった。
実際、顔は普通であったが小学生の頃は脚が早いからモテ、中学でも生徒会という中学生から始まる新しい立ち位置に皆感化される為にモテ、高校では進学校に入り母子家庭で育ったならではに身に付いたフェミニストぶりにモテていた。
髪型や服装も気にする方であった事も影響して大学進学後も、まぁ大層にモテていた。

母の明乃(あけの)は、結婚して私を出産後に直ぐに父と離婚。生まれ持った華があり、何の仕事をしても会社の上司に気に入られていたが、生まれ持った華のせいので先輩たちからは嫌われすぐに職を転々としていた。
しかし、子どもたちに愚痴を吐くわけでもなく日々明るく楽しく過ごしていた人だった。
実際母子家庭で兄を国立大学に私を専門学校にまで入れてくれて、大変だったと思う。

今の説明だけでも、私なんかよりも兄や母の物語を語ったほうが大変物語性があるのではないかと思われる。