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恋の声

第4章 突然の…

「阿部くんは瀬戸くんは一緒じゃないの?」

「瀬戸?あーどうかな?あいつ朝弱いからな」

二人は直ぐに会議室で雑談を開始する。
「瀬戸さんも午前中にいらっしゃるんでしたっけ?」確か昨日予定では夕方だった様な…

「昨日ね、急にオフになったらしくてね連絡があったんだよ。家が近いからオフだけど朝に挨拶に来るって言ってたからさ、阿部くんと一緒に来てもらおうと思ってね」

時刻は9時丁度に差し掛かる

玄関のチャイムが鳴った
「私出ますね」

「はい。どうぞお待ちしておりました。」ガチャリと重い扉を開ける

「遅くなりました。9時にお約束していた瀬戸です。」
顔を見上げるとまぁ、何とも面立ちの涼やかな男性だった。
髪は黒髪で少しパーマがかったツーブロックの髪に、シャツと紺色のパンツ
声も低くなんとも言えない心地の良い声だった
初めて会ったが不思議と懐かしい印象の人だった

しかし、彼の方も呆然と立ち尽くし私の顔を見ていた。
「あの…?瀬戸さん?何か?」

はっと我に返った瀬戸さんは恥ずかしそうに顔を赤らめた

「いや、お恥ずかしい…僕の好きな人に雰囲気が似ていて…見とれてしまいました。」

ボッ
私の顔がみるみるうちに赤くなる。
この人は危険だ!初対面の大して可愛くもない私なんかになんて事!?
阿部さんよりタチが悪いぞきっと!!

「どどど、どうぞ会議室に阿部さんはいらっしゃってますから…」

瀬戸さんを会議室に案内して初ミーティングスタート。


「えー今日からここの社長の久野ですよろしく。前はキャストシードの所長だったからね。僕は社長だけど、那智くんと羽山くんと、渡月くんのマネージャーだから。そして君達2人のマネが彼女ね。」

「本日から、お2人のマネージャーを務めさせていただきます。瀬戸川雪穂です。」



「名前も似ているなんて…」瀬戸さんがボソリとつぶやいていたがなんと言っているか詳しく聞こえなかった


今後の仕事希望や、台本の受け渡し方法。
一応お2人の住所や電話番号の確認。
ネットに載せるHPのプロフィールと写真の確認など…

瀬戸さんとやたら目が合うな…なんなんだろうこの人…

怖い…

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