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惰性同棲

第2章 惰性同棲


まだ11時だから、日が沈むまでは6時間ほどだろうか。

取り敢えず小腹を満たすために、買い置きしていた菓子パンを食べる。
チョコクリームが甘すぎるけど、美味しい。

毎日こんなダラダラ過ごしていていいのか、辛くなる。これじゃあ引きこもりニートだ。
働きたくないし、頑張りたくないから仕方ない。

ふと気になってカイトが働いているライブハウスを調べると、今日の出演者は女の子が多かった。なんとなく悔しい。

興味はないけど見に行こうかな、と思う。
でも自分より才能のある頑張っている人間は見たくないので却下。

もういいよ、と半ば自暴自棄になって大好きな小説を手に取る。
私みたいなダメ女の話。結局は報われちゃうのが今の私には辛いけど、読む。決めた。

昼からビールを開けて本を読む。悪くない。
ぷしゅっという爽快な音が耳障りだった。

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