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惰性同棲

第2章 惰性同棲


あれこれ考えたり、つまらないゲームをしたりしているうちに10時になった。

結構1日で病んでしまった気がする。
心にずーんと思い塊がくっついてなかなか剥がれない。

突然電話が鳴る。
カイトからだった。

「もしもし」

「お仕事が終わりましたー。今日は俺早く帰っていいってさ。だから今から帰る。何食べたい?」

いつもより声が優しい気がして、どっと罪悪感に襲われる。

「え、買ってきてくれるん?」

「いや、出前でもええよ。どうせメシも作ってないし自分のも買いに行く元気ないんやろー?」

笑い飛ばされてしまうと、こちらも元気が出るもので、少し口角が上がる。

「あ、晴子の好きなお寿司の出前でも頼むか!」

「おすし…。うん、たべたい」
自分だけ暗いのが恥ずかしくなってくる。

意外と優しいところあるんだな、と日に日に実感する。

「はーい、じゃあ頼んどくから。ばいばーい」

すぐに電話が切れる。

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