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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

俺の姿を見た男は、目を見開き
微かに震えている。


確かに俺が逆の立場ならそうなるだろう。


血が飛びった透明の人間なんて。

『どうやら…あいつらの血のせいで
透明になりきれてないようだな』

「そんな…あり得るわけが…」

『ないよなぁ?……だが、現に
こうなっちゃぁ、信じる他ねぇだろ?』


ガンッと椅子を蹴る。


「はぐぁっ…うっ!!」


そう、今こいつの命を繋いでいるのは
このぼろぼろの椅子だけ。


『どうだ?自分の命を弄ばれる

気分は』


「………っく…はぁ…やめ…ろ…」


ジャックはニヤリと口角をあげる。


家族を苦しめ、殺めた存在が
今度は苦しみ、殺められそうになっている。


それも、その手を下すのは自分。

興奮にも近い何かがジャックを
高揚させた。




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