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my destiny

第4章 Pandora's box

【智side】

半分眠っているような状態で、翔君の話を聴いてた。

翔君の言葉は、難しい単語も多いし。
詳しく説明されるほど複雑になるから。

ユーリには誤解されてるかもしんないなぁ。

オイラも、実は、翔君の話を聴いてるうちに混乱?
してしまうことがあったりするんだけど。

でも、翔君がオイラに言いたいことは、ちゃんとわかってるよ。

翔君がオイラに言ってるのは、いつも同じことでしょ?

100の言葉を言われても、1000の言葉を言われても。

翔君がオイラに言いたいのは、いつもこれだって、わかってる。





『一緒に居たい』





掛けてくれた上着から翔君の匂いがした。

目を閉じて、耳から入ってくる言葉を子守歌みたいに聴いていたら。
多分、寝ちゃったのかな。

夢なのか、わからないけど。

これまで翔君と過ごしてきた沢山のこととか。
二人で重ねてきた、いろんな気持ち?

それが浮かんでくる。

隠したくない、って言う翔君。

一生隠す、って言い返すオイラ。

言葉で翔君にかなうはずがないから。
ケンカするといつも、どうしたらいいのか、わからなくなって。

終いには、もういいよ、って泣いて。

泣くのはずるい、って翔君が怒って。





『一緒に居られるだけでいいんだ』





翔君には将来があるんだから。
オイラにかまってないで、普通に結婚して家庭を持ってさ。

家族を悲しませるようなことをしたらダメだよ。

ようやく言っても、怒られるばかりで。

智は俺の気持ち何にもわかってない、って翔君が言う。



智の将来だってあるでしょ?

別れる理由を俺のせいにするなよ。

智はどうしたいの?

俺と、一緒に居たくないの?

俺の気持ちが、変わると思ってるの?



そんな風に責められて。
違う、って言っても、納得してもらえなくて。

そういうことを、何度か繰り返しながら、今の二人になったんだ。




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