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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第4章 家の中の二人

『アハハ。綾も早く着替えなよ』

そう言って電話は切られた。

…あ~もう、何か疲れた。

このままベッドに入って、眠ってしまいたいぐらいに。

でもすぐに光雅はやって来る。

重い体と気持ちを何とか奮い立たせ、オレは制服を脱いで、私服に着替えた。

リビングに戻る頃には、すでに私服姿の光雅がいた。

「今晩は何食べたい?」

「…ハンバーグ。でっかいヤツ」

「分かった。待ってて」

エプロンをして、嬉しそうにダイニングへ立つ。

オレはそのままソファーに座り、テレビを着けた。

「そう言えば、今日は宿題出た?」

「出たけど休み時間に終わらせた」

「後で見せて。答え合わせするから」

「…ああ」

光雅は料理だけではなく、オレの家庭教師までしてくれる。

それどころか掃除や洗濯まで喜んでしてくれるんだから、好きなヤツには尽くすタイプなんだな。

…光雅にはじめて告白されたのは、中学に入って間もない頃。

半ば強引に青輪学院に入学させられ、オレは不機嫌だった。

だから入学式が終わった後、両親を学院に残して、走ってマンションまで戻って来た。

そしてすぐに部屋に閉じこもったが、当時は暖かな春の日だった為、オレは窓を開けていた。

窓は開けるとベランダに通じていて、光雅はそこを乗り越えて、オレの部屋に入って来た。

…数十メートルの落下を恐れず。

そして不機嫌なオレとは違って、ニコニコと微笑んでいた。

「嬉しいよ。また綾と一緒なんて。この一年、ずっと寂しかった」

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