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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第7章 二人のこれからのあり方

「って、あっという間に卒業かよ」

桜吹雪を浴びながら、オレは卒業証書の筒を持って、学び舎を見上げた。

光雅は約束どおり、大人しく一年前卒業した。

その時の光景は…思い出したしたくもなかった。

卒業を惜しむ生徒達や教師達の涙が雨のように流れ、声は近所迷惑だと苦情がくるほどうるさかった。

しかし今は静かなもの。

みんな寂しさはあるけれど、晴れやかな笑顔だ。

さすがに進学校と名高いだけに、卒業生はみんな有名大学への進学が決まった。

だから大学へ行っても、顔を合わせるヤツらは多いだろうな。

「ヤス、二年間、生徒会お疲れさん」

「本当にご苦労様だったな」

「安恵先輩、大学でもお元気で」

同級生、担任、後輩と、次々に声をかけられる。

結局オレは二年で会長になり、二期に渡って生徒会に所属してしまった。

光雅と同じ大学へ行くには、少しでも内申書を良くしておきたかった。

「ああ、お疲れさん。みんな、元気で」

笑顔で手を振り、校門を出た。

はじめは通うのもイヤだったが、今では良い思い出しかないのは皮肉なもんだ。

オレも大人になったのかな? 

肩を竦めながら歩くと、目の前に見覚えのある車を見つけた。

運転席に座っているのは…。

「光雅」

スーツ姿の光雅だった。

オレは駆け寄り、助手席に乗り込んだ。

「何だ、来てたんだ。顔を出せば良かった」

「騒がれるのは不本意だったからね。綾だって、イヤだろう?」

「まあ…な」

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