
勝手に運命感じてます
第2章 あれから半年
「……起きたか、腰抜け」
「せっ、先輩!」
先輩だ。先輩が来てくれたぁ~。
「先輩っ、あのっ……この度は、また私を運んでいただきまして、まことにありがとうございますっ!」
「……丁寧すぎて、逆にウザい」
心配するそぶりもなく、いつものごとくコールド対応。
でも嬉しい。先輩に会えたぁ~。
と、感涙して浸っていたところで、凛ちゃんが突然――
「あーっ、いけなーい! 私、教室に帰らなくちゃいけないんだー」
「……凛ちゃん?」
「けどなー、保健の先生に『戻ってくるまで付いててあげて』って言われてるしなー。誰か、代わりに付いててくれないかなぁ~?」
あのねぇ、すごく棒読みだよ?
凛ちゃん……間違いなく、女優にはなれないわー。
