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もう一度キスさせて

第2章 私の心臓おかしいかもです

「もう下校時刻すぎてるんだけど」


自分の腕時計指差しながら言う真顔の吉沢先生。


ひぇ...もしかして怒ってらっしゃる??




「ごめんなさい、すぐに帰ります」


ささっとカバンに教科書やらノートを突っ込み肩に鞄を掛けた。



先生、ずっと無言だし

そこまで迷惑だった?


なんかあのキス以来、私 先生に嫌われているような...




さよなら と、言ってペコッとお辞儀してから早足で教室を出ようしたけど、




「天野」


なぜか先生に呼び止められた



もしかしてまだ怒られる?


そう覚悟して振り向いた



「はい?」



「電車通?」



え?、


怒られる覚悟だったのに予想外の質問をされて少し戸惑ってしまう


「そう...ですけど」


なんでそんなこと聞くんだろ


私の頭はハテナだらけだった




「送るから下で待ってろ」


「へ?」


ちょっとよくわからない。



「こんな時間で通勤ラッシュやばいだろうし」


そう言いながら教室の窓がちゃんと閉まってるか確認し出す先生


ちょ、ちょっと待って

「いやいや、大丈夫ですよ!」



送ってもらうだなんてとんでもない

これ以上迷惑かけられません



「女の子がこんな時間で1人満員電車ってキツイだろ」



でも、そんなこと言ったら部活してる子みんなそうだし

私だけ特別、あ つかい


待て、よく考えてみれば先生に特別扱いされたいって思ったの私じゃん



でもな〜、いざとなるとそうはいかない


「ほら、行くよ」


いつの間にか教室の点検も終わり電気が消される


頼りになるのは廊下の明かりだけだ





「でも、いいんですかね」


「ん?何が?」


「いやぁ、そのやっぱり教師と...生徒だし、誰かに勘違いされちゃったらまずい...じゃないですか」



「別に後ろめたい事しないし大丈夫だと思うけど、嫌ならタクシー呼ぶ」


タ、タクシー?


いや、だからそこまでする理由がわからない




「いえ、先生の車で十分です」


鈍感先生め


噂になっても知らないんだから。

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