
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第2章 佐倉武
「はいはい! みんな落ち着くんだ! 佐倉、自己紹介」
「あ、はいっ……えっと……」
みんなが近すぎて、マジでドキドキする!
それに、オレに似てるこのコだってジーッと見てくるし……て思ったら……うわ、ものスゲードキドキしてきたぞっ!
「さっ、佐倉武ですっ。
えっと……この学校の近くのおばあちゃんちに引っ越してきましたっ。よ、よろしくおねがいします!」
ふぅー……よしっ。何とか言えたぞっ。
するとまた――
「うわー『たける』だってよー!」
「マジでぇー!? スゲー!」
あれっ? またさわぎだしたぞ。オレの名前……そんなに変か?
「……たける?」
「? う、うん……」
オレに似てる、かみの長いコが名前をよんだ。
「わたし……みかる」
「? うん……さっき、きいた」
「すごいね!」
「えっ?」
あ、笑った。
「わたしたち、名前まで双子みたいだね!」
「へ? ……あ、ほんとだ。『たける』と――」
「『みかる』! ね?」
「……ははっ! なんかすげーな!」
「あははっ! ねー!」
『たける』と『みかる』かぁ。
それって……いいな。
なんかオレ……もう気に入っちゃったぞ。
このクラスも、先生も、
そして――『みかる』も。
