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たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―

第5章 杉並実果留・最終話



「あ……か、風邪は、もう大丈夫……なの? あんなに熱あったのに、もう出歩いたりして……」


 私はバクバクする心臓を抑えながら、普通のふりして訊いた。


「あー……なんか昨日、エラい汗が出たみたいでさ……」

「あ……汗っ?」


 そういえば昨日のあの時、武……かなり汗かいてた……

 っ、ダメッ!

 今思い出して顔が赤くなったりしたら、絶対に変に思われるっ!


「それで、熱があっという間に下がってた。今じゃ、36度9分」

「へっ、へぇ……すごいねー、よく下がったねー」


 うわぁー……キツいっ。胸に重圧がっ……。

 夕崎君との後だから余計に……。

 これも、人を振り回したバツ?


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