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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第18章 麻酔科医の術前診察

「さてと。美優の診察するかな。」






『瀧くんは震災後にお医者さんの道を選んだんだね。』





「避難所の体育館に全国から医療チームが派遣されてきて、やっぱ医者カッコいいなって思って。」






『それで医学部に入れちゃうんだから瀧くんはすごいよ。』







「まぁな。美優も早く退院できるといいな。」






『うん。でも、まだまだだよ。』





「って言いながらも本当は俺、美優に電気をかけるなんて気が引けるよ。どこも悪くないのに全身麻酔なんて。」






『…瀧くん?』






「ごめん。患者を不安にさせちゃって。」






『瀧くんは昔からみんなに優しいもんね。でも私なら辛い治療も大丈夫。乗り越えてみせるから。』






「美優は昔から負けず嫌いで、頑張りやさんだったもんな。これからは俺も協力するから」





『ありがとう』









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