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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第20章 修正型電気けいれん療法*(3)

それから2時間して私は自分の部屋に戻ることができた。





そして、瀧くんが"でっかい桃"を食べやすくカットして持ってきてくれた。





美味しそう。いただきます。






「話そうかどうか迷ったんだけどさ。」





『ん?』





「湊のこと。」





「お兄のこと?」





「ちょっと前に、湊が"高校の同窓会に参加してた"って話を小耳に挟んだのを思い出したんだよ。それで他の奴らにメールで確認したらやっぱり"参加してた"って。」





『そ、それじゃあお兄は生きてるってこと???』






「ああ。間違えなく湊は生きてる。」






『生きてるならどうして会いに来てくれないの???』






「会いたくても来れないんだろ?」






『どういうこと?妹に会えない理由って何があるの?』







「"下着泥棒"で全国指名手配されてるんだって。」






『お兄のバカ!だけどそれでも会いたい!』





「だよな。」





『瀧くん…お兄ことは桜庭先生たちに言わないで。』





「俺は言わないけど、警察官(捜査員)が血眼になって探してるらしいから、ここまで来るかもしれない。その覚悟はしとけよ。」






『わかってる。お兄に会えたら必ず自首させるから。それまで桜庭先生達には黙ってて。』






「ああ。」







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