テキストサイズ

注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第37章 おかえり

翌日、腎臓内科病棟からお迎えがきた。








「美優ちゃん、お迎えですー。」








『うっちさんー、お久しぶりです!』










「元気にしてた?」








『まあまあ元気だよ。』








「荷物まとめてある?」








『これだけなの。』








「荷物は、僕が内科に運んでおくから。美優ちゃんは外来の診察室に行ってくれる?」








『うん。』









「脇坂先生が外来でお話しましょう。だって」









『わかった。』







『その前に、精神科の皆さんとゆっくり
お別れしておきなね。』








「そうするね。」










*精神科ナースステーション








トントン









美『転科のご挨拶に来ました〜』









成「ああ、美優ちゃん今日でお別れだね。寂しくなるけど内科でも頑張ってね。」








美『ありがとう。本当に本当にお世話になりました。』








成「どういたしまして。」










美『桜庭先生もどうもありがとうございました。』









桜「美優、まだ最後の注射が残ってるよ。」









美『注射するなんて言ってたっけ?』









桜「"特効性注射"やっといた方がいいかなって
さっき思い付いた。これだと、筋肉中に薬液が
長期間留まって、効果が3週間ほど持続する。」










美『最後なのに注射…?私、もう治ったはずじゃ…?』









桜「いいアイデアだろ?」










美『マジで?ナースステーションで?』









桜「ここに座ったら袖まくって。アルコールで消毒するから。」








美『じゃあ痛くしないでね。』









桜『3,2,1,で針が刺さるからね。さんにいいち」









美『ギャァーーーッ!いたぁ!』









桜「ごめんな。この薬は、とってもよく効くけど痛いんだ。痛い指先痺れてないか?』








美『痛すぎてわかんないっ!』








桜「これからお薬が筋肉層に入るから、もう一回痛いからね。痛いよ。」
















ストーリーメニュー

TOPTOPへ