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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第38章 シャント

「最後にシャント音を聴いてみよう。」









脇坂先生は、私の耳に聴診器のイヤーピースを入れた。









『私が?』









「うん。どんな音がするか聴いてみて。」











耳を澄ませてみると"ザーザー""ゴーゴー"という音がしたので、そう伝えた。










「"ザーザー""ゴーゴー"音は、血流量が多くてシャントがちゃんとしてる証拠。よかったよかった。」









『血液が流れる音って、滝の流れる音に似てるね。人間ってすごい。』








「シャントが狭窄してしまうと、"シャッシャッ""キュンキュン"みたいな短くて鋭い音に変わるんだよ。」










『へぇ。そうなんだぁ〜。』










「美優ちゃん、術後は少し腫れるかもしれない。麻酔が切れて痛むようなら、手を心臓より高い位置に上げておいて。」









『心臓より高い位置ね。了解。』









「部屋に戻ったら安静にしてて。痛み止めのお薬出しておくから。」









『はぁい。』













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