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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第38章 シャント

★夜の回診







トントン








「こんばんは。遅くなってごめんね。夜の回診です。」









『脇坂せんせい、腕がちょっと痛くなってきちゃったぁ。』









「麻酔薬が切れるころかな?痛み止めの錠剤あげるから飲んでみて。」








『そうする。』








「頭痛や吐き気はしない?」










『それはないけど、ちょっと体がだるいかも。』









「心配だなぁ。点滴の滴下をはやめとこうか。」











脇坂先生は腕時計と点滴のクレンメに交代に目をやり、頭の中で暗算しながら









「点滴が400ml位残ってるから、1秒2滴にすれば
3時間後に終わるね。」と、言った。









その仕草がイケメンすぎて萌える!










「なんか顔が赤いけど、お熱は?」










『さっき計ったら平熱だったよ。』









「この点滴と痛み止めのお薬が効いてくれるといいけどね。」










『透析、いつから始めるの?』








「今日つくった血管が2週間後から使えるようになるのね。だからまあ、2週間後かな。」








『そうなんだ。』








「どうして?何か不安なことでもある?」










『あるような…ないような…。』









「これは僕からの提案なんだけど、明日
透析室の見学に行ってみない?」










『見学?』









「百聞は一見にしかず。不安を抱えたままでいるよりいいでしょ?」








『そうだよね。見学したいな。』










「じゃあ明日行こう。」





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