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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第39章 見学

私がベッドに横になると、先生も椅子を持ってきてそばに腰掛けた。








「大丈夫?慣れない環境だからね。無理しなくていいよ。」









『うん、大丈夫。』








「それじゃ透析装置について説明をするね。」








各ベッドの横には、大きな透析装置があった。







「これが透析装置。横についてるダイアライザーに血液を通すことで血液か浄化される仕組み。音が大きくて意外とうるさいでしょ?」









『確かに。』








「具体的にどうやるかなんだけど
まずシャントを作った腕には、
血液を取り出す為の針と戻す為の針を
2本刺すのね。取り出した血液は
ダイアライザーを通して浄化してから
美優ちゃんの血管に戻す。」








『献血と輸血を同時にやってるみたい。』










「そうそう。そんな感じ。」












『ふうん。』









「まわりの患者さんたちを見てごらん。井上さんみたいに読書してる人や、テレビを見ている人、パソコンで仕事をしている人もいるでしょ?」










『うん。透析をしているけど、cafeにいる感じとあんまり変わらないね。』









「どうだろう…美優ちゃんは、まだ透析が怖いかな?それともやっていけそう?」







『見学をする前は偏見があったけど。でも今は
やっていけそうな気がする。』








「よかった。これからも美優ちゃんに納得してもらいながら、ひとつづつ治療を進めていけたらと思うんだ。」






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