注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。
第41章 透析*初日のできごと(1)
2Fの透析室受付に診察券と予約票を出し、前の椅子に座って待っていた。
しばらくして「山口美優さん、お入り下さい」と、マイク越しに名前を呼ばれたので
『脇坂先生の声だ』と、安心して診察室のドアをスライドして入室した。
ところが
わっ、脇坂先生がふたりいる?!
目が疲れてるのかな…?
かすんでぼやけてるのかな…?
目を擦ってもう一度、正面を見つめるけど…
右も、左も脇坂先生。
やっぱり脇坂先生がふたりいる?!
「美優ちゃん」と、名前を呼んでくれた方の脇坂先生に、駆け寄ってとっさにしがみついた。
「どうしたの?新しい先生を紹介するから
椅子に掛けて。」
私が怯えて離れようとしなかったので、先生は仕方なく自分の膝の上に抱き上げた。
「透析室の担当医の脇坂葵(あおい)先生だよ。
ご挨拶して。」
『どうして似てるの?もしかして一卵性双生児なの?』
「あおくんは黒メガネかけてるけど、僕たち
やっぱり似てるかな?(笑)」
『どっちがお兄ちゃん?』
「僕だよ。」
葵先生が、初めて口を開いた。
話し方や声までそっくり。
「僕が、透析室での主治医になります。
透析室には研修医もいますが、一応
僕がここの責任者なので。」
『山口美優です。よろしくお願いします。』
「今日は、そっちの脇坂先生が
手取り足取り教えてくれるそうだから。
次からここに来たら僕の診察を受けて。」
『はい。よろしくお願いします。』
しばらくして「山口美優さん、お入り下さい」と、マイク越しに名前を呼ばれたので
『脇坂先生の声だ』と、安心して診察室のドアをスライドして入室した。
ところが
わっ、脇坂先生がふたりいる?!
目が疲れてるのかな…?
かすんでぼやけてるのかな…?
目を擦ってもう一度、正面を見つめるけど…
右も、左も脇坂先生。
やっぱり脇坂先生がふたりいる?!
「美優ちゃん」と、名前を呼んでくれた方の脇坂先生に、駆け寄ってとっさにしがみついた。
「どうしたの?新しい先生を紹介するから
椅子に掛けて。」
私が怯えて離れようとしなかったので、先生は仕方なく自分の膝の上に抱き上げた。
「透析室の担当医の脇坂葵(あおい)先生だよ。
ご挨拶して。」
『どうして似てるの?もしかして一卵性双生児なの?』
「あおくんは黒メガネかけてるけど、僕たち
やっぱり似てるかな?(笑)」
『どっちがお兄ちゃん?』
「僕だよ。」
葵先生が、初めて口を開いた。
話し方や声までそっくり。
「僕が、透析室での主治医になります。
透析室には研修医もいますが、一応
僕がここの責任者なので。」
『山口美優です。よろしくお願いします。』
「今日は、そっちの脇坂先生が
手取り足取り教えてくれるそうだから。
次からここに来たら僕の診察を受けて。」
『はい。よろしくお願いします。』