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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第44章 2度目の透析★

さっき、研修医に抑えられながらも
葵先生の手元を見ていた。






葵先生は、機器のつまみを
0から7まであげていた。





と言うことは、装置のつまみを0に戻せば
透析機器は止まるはずーー。







葵先生が、ここから出ていってから
何分もたたないうちに、ベッドから
身を乗り出して機器に手を伸ばした。





つまみをゼロへ。






その瞬間、♪ウィーン♪ウィーンと
けたたましいサイレン音が
透析室全体に響き渡った。







"非常事態発生!"に、看護師さんも他の患者さんも騒然としだした。








マジでヤバいことになってる…!
だが、時すでに遅し。






黄色いカーテンがバッと開き、鬼のような形相の葵先生が立っていた。











「こらっ!勝手にスイッチ切るな!
重大な医療事故が起きたらどうするつもりだ!」







葵先生、大激怒。






まさかこんな大騒ぎになるなんて。
軽い気持ちでやったことなのに。







『ごめんなさいっ!』








「許すわけないだろ?お仕置きだ。」








えええっ?!?!?!







口を開けたままポカンとしている間に、針が抜かれて、お仕置きの準備が整えられた。







あんなに痛い思いをしながら針を刺したんだから
抜かないでほしかった。





しかも、お仕置きだなんて。





これはもう、最悪のパターンに他ならない。





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