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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第46章 眠れる森の美優*(2)

「洋輔、おはよう。」








今朝は、ICUで他の透析患者さんの診察をしていた兄の葵に呼び止められた。







「家に帰れなくてごめん。」







「美優ちゃんのことで相談があるんだ。」








「相談って?」







「イイことじゃない。今ついてるカテーテルを外して透析を中止すれば、"安楽死"に近い形で天国におくることができる。転院させるより洋輔に看取られて旅立つ方が幸せかと…。」







「実は僕も"安楽死"を考えてた。美優ちゃんには看取ってくれる家族もいないし、その方がいいかと。」








「カテーテルを外せば残りは1週間程度だ。」







「美優ちゃんは眠ってるけど、どこか苦しいんだろうかーー?それとも痛いんだろうかーー?」












「さあ。それはこの子にしか分からない。」









「あおくん、カテーテル外そう。」








「"安楽死"でいいんだな?」







「それが一番いいと思う。」






「わかった。明日の朝、外すけどいいな?」






「ああ、頼むよ。」






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