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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第11章 真夜中の空腹

夕食も同じように甘酸っぱくて食べれなかった。



脇坂先生の回診でも『甘酸っぱかった』と正直に伝えた。



ぶりの照り焼きが甘酸っぱいなんて
どうかしてる。




今夜は空腹で眠るつもりだった。



けど、消灯時間を過ぎて急に強い空腹感に襲われて、お腹がグーと鳴った。



そうなると頭の中はもう、食べ物のことしか思い浮かばない。





お腹が空いたよぉーー。

グーーーーー。




そうだ。ナースステーションで内田くんに
食べ物もらおう!




私は点滴を抜き、ベッドから降りてスリッパを履いて部屋を出た。




内田くんいるかな?




食べれるものなら何でもいい。
贅沢は言わない。


コーヒーシュガー1本でも、私の空腹は満たされるはずだから。






真夜中の病棟は案外暗かった。





幽霊が出そうな廊下をナースステーションに向かって歩いていかなきゃならない。




ナースステーションが遠く感じる。




着いてみると、ここは昼間と同じ明るさだった。




内田くん、いるかなぁ?




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