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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第14章 フェロミア

★朝の回診




「おはよう。ん?まだ寝てた?」





『目は醒めてるんだけどだるくて起きれない』






「大丈夫?無理しなくていいよ」






『うん』





「今日は、いつもと違う採血するよ」






『いつもの採血とどう違うの?』






「いつもは静脈採血で今日は動脈採血」






『よくわかんないけど採血ならやっていいよ』






「足の付け根と腕と手首、採血部位はどこがいい?足の付け根が一番痛くないけど」





『恥ずかしいから足は嫌。腕にして』






「そこは即答だね」と、先生が笑った。






私が腕を差し出すと「いい血管あるかな〜」と、さすったり指で弾いたりしていた。





「よし、この血管に決まり」





『ねぇ、なんで張り切ってるの?』






「動脈採血は一年に一回あるかないかだから個人的にとっても楽しみなんだ」






『はぁ?』






「駆血帯を巻くから、手をグーパーさせてから軽く握っててね」






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