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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第15章 白い鳥かご

涙で目の前が曇ったあと、真っ暗で何も見えなくなり、息ができなくなってしまった。







「大丈夫?過呼吸かな?」






『はぁはぁはぁ…苦しい。先生、助けて…』





「そばにいるからね。安心して」








『はぁっ…、はぁっ…、はぁっ…』







「まず落ち着いてね。吸った息を10秒かけてゆっくり吐き出すようにしてみよう」






『はぁっ…、はぁっ…、できないっ』







「できないかな?それじゃあ軽く息を止めてみよう。息を止めたらゆっくり吐き出すよ」







『はぁっ…、はぁっ…』







「美優ちゃん、息止めてごらん」






美優ちゃんが呼吸を整えている間に、ナースコールして内田くんに
「セルシン静注を持ってきてほしい」と、頼んだ。





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