テキストサイズ

注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第15章 白い鳥かご

★夜の回診



トントン




「こんばんは。夜の回診です。気分はどうかな?」





手首をとり脈拍を確認した。


落ち着いている様子。




「さっきは命懸けのSOSを出してくれてありがとう。」





『…』





「でも、ここは人が生きる場所だから自傷行為はしないでほしい。」





『…ごめんなさい。』






「前から不安定な時はあったけど、今回の自傷行為は絶対に見逃せない。明日、精神科の先生に診察してもらおうね。」





『精神科…?…えっ?』





「精神科ってわかるでしょう?」





『うん。でも、あの、私』




「僕は、これでも(美優ちゃんのことを)理解してるつもりだったけど、(今回のことで)わかんなくなっちゃった」




『…せんせい。ごめんなさい』






「僕の方こそごめんね。しばらく精神科の病棟で過ごしてもらうことになるけど」







『…精神科にうつるの?』






「しばらく精神科で、心を休めておいで。」






自業自得なんだろうけど…悲しい。
とってもとっても悲しい。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ