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『ごちそうさまでした。おいしかったぁ』





「やっと笑ってくれたね。僕ら、こんな仕事だから患者さんが笑うだけで本当に嬉しいんだよ」





『えへへ』





「食後のお薬飲んじゃおうか？」





『待って。飲んだらまた手に拘束具を嵌めるでしょ？』





「うん。そうだね」




『手首が擦れて痛いから、もう少しだけ待って。絶対に暴れないし騒がないから。ね？』





「そんなふうに看護師を困らせないで。拘束具は治療のために必要だから嵌めるんだしね」





『だって…』





「初日からそんなワガママ言うと桜庭先生に叱られて、保護室から出してもらえなくなるよ。わかったら薬飲んじゃってね」






『…ごめんなさい。薬飲むから、この事は桜庭先生には内緒にして。おねがい』





「今回だけは内緒にしてあげるよ。早く薬飲んで手を出して。桜庭先生が回診に来ちゃうから」