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注射、浣腸、聴診器、お尻ペン。

第16章 精神科 急性期閉鎖病棟

「お口あーんして。」






カラフルな錠剤は飲みにくかったけど
なんとかゴックンできた。






『成井さん、精神科は着替えとかシャワーとかはできる?』






「基本的に保護室の患者さんは絶対安静だから、清拭だけだと思うよ。先生の許可があれば話は別だけど。」






『そうなんだ。聞いてみるかな〜』






「でもさっきも言ったけど、ワガママ言うと保護室から出してもらえなくなるよ。」





『わかってる。気を付ける。』







「拘束具嵌めるから手を出してくれる?」






再び、手を拘束されて施錠されると、辛い現実に引き戻され、言い様のない絶望に襲われた。





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